手話アイデンティティー

やまゆき 

 私自身の体験記になりますが、手話アイデンティティーを持ち始めたきっかけを書きます。まず自己紹介させてください。生まれつきろう、姉が1人おり親もろうのデフファミリーです。金町学園と足立ろう(現在葛飾ろう)、品川ろう(現在城南分教室)、中央ろうを経て大学で初めて聞こえる世界へ踏み入れました。現在はろうの娘がおり、大塚ろう学校に通っています。
 始まりは私が小学5年生の時のことです。家庭事情により姉と一緒に品川ろう学校へ転校しました。当時品川ろう学校は手話がまだ普及されていなく、口話中心でした。先生と友だちの話が通じず、これまで手話の中で育った私には大衝撃でした。学校にいっても楽しくない、同じ耳が聞こえないのにどうして手話を使わないの?とこんな環境には耐えられず遂には姉と一緒に不登校に。その時の母は学校に行きなさい!とは言わず、休んで良いよと言ってくれていました。そのおかげか精神的に落ち着けました。
 担任が週に1回は訪問してきました。学校は楽しいよ。友だちみんなあなたのことを待ってるよ等、励ましの言葉をもらい、1ヶ月後学校に行ってみようかなという気持ちになり、学校へ行ってみることにしました。ある先生が手話普及に力を入れていたため、手話が見られるようになりました。何日か通ってるうちに学校が楽しくなり、不登校から脱しました。
 その時に周りに手話がない時は自ら広がっていけば良いと気付きました。同時に手話は本当に必要で、生きていくうえでなくてはならない大切な存在なのだと実感しました。
 この経験があったからこそ気付けたことがあり、私にとしても大きな通過点だったのではないかと思います。
手話はろう学校内やろうコミュニティ内だけでなくもっと広い世界で広がり、そして「言葉が見える世界」へ目指していきたいです。共に頑張りましょう。

WordPress.com で次のようなサイトをデザイン
始めてみよう